一般社団法人アジア食文化交流協会、琉球大学国際地域創造学部ウェルネス研究分野の共催によるアジアの食を巡る旅ツアー、昨年は客家の食文化を求めて福建省竜岩学院訪問、世界遺産福建土楼への宿泊という貴重な体験をしましたが、今年は中国最南端に位置する海南島の食文化を巡るツアーを企画開催しました(2019年12月2日~6日)。
●海南島
海南島は、中国南部に浮かぶ中国最大の島。東西約300 km、南北約180 km、面積32,200 ㎢で九州より1割程度小さい、ハワイとほぼ同じ緯度で、中国国家重要拠点として観光にカを入れるリゾート地です。島には少数民族の黎族 (Li ethnic group) や苗族 (Miao ethnic group) の村があり自治州もあります。
●海南島の食文化
海の幸、山の幸共に新鮮で豊富であり、人気が高いのは海鮮料理で、生きたままの魚介を選びその場で調理してもらうスタイルが多くみられます。
“海南四大料理”といわれるのは
*「文昌鶏」(ぶんしょうどり)文昌(市/地域)の地鶏で作った白切鶏
*「和楽蟹」(わらくがに)上海ガニに似ており、濃厚なミソが特徴
*「東山羊(ヤギ)」(とうざんやぎ)ゼラチンたっぷりで美容にも効果的
*「嘉積鴨(アヒル)」(かせきあひる)蒸して食べると美味
そのほかにも
*万寧・大洲島産の「燕の巣」
*ダン州、臨高、澄万周辺の「焙乳豚(子豚の丸焼き)」など
*「黎苗料理」=竹の節にモチ米を入れて炊き上げた「竹筒飯」や「苗族五色飯」。
南方系で米文化であり、米を使った料理はご飯もの・麺類含めて全島的に多彩です。
*ココナッツの実にモチ米を入れて炊き上げるココナッツご飯「椰子船」は有名海南料理。
*原生米から作る「山蘭酒」などの酒類
*新鮮なココナッツたっぷりの薬膳「清補涼」
*搾りたてのフルーツジュースを急速冷却して作るフルーツ・シャーベットの「炒冰」
料理の種類は多く、 地元海南料理(瓊式)をはじめ、広東料理、福建料理など中国各地の料理を美味しい海南島の素材で味わえます。
海南島の酒は、
*山蘭米を原料とした酒
*サツマイモを原料とした酒
があり、海南島と中国の広西壮族自治区、鹿児島県、宮崎県、伊豆諸島は「いも焼酎文化圏」と言われます。ほかにも、*バナナを原料とした酒、
*ヤシ酒、*薬酒などが見かけられます。

●海南に鶏飯のルーツを探る
アジア食文化交流協会は、沖縄奄美スローフード協会をその前身とし、奄美地方の食文化研究も進めています。奄美地方の代表的な料理「鶏飯」が、どのようなルーツで日本奄美に伝わってきたか進化してきたのかを探る旅でもありました。
「海南鶏飯」(ハイナンジーファン、かいなんけいはん)は、茹で鶏とその茹で汁で調理した米飯を共に皿へ盛り付けた米料理。台湾・香港・マレーシア・シンガポール・タイなどの東南アジアの庶民料理、屋台料理として親しまれています。

●「福山珈琲」~中国コーヒーの産地を訪ねて
中国のコーヒーは雲南省が有名ですが、近代中国で産業化に初めて成功したのは海南島とされています。大量生産に向くロブスタ種が主で、アラビカ種とリベリカ種のコーヒーが少量ながら栽培されています。コーヒーの種子が最初に海南島に持ち込まれたのは1908年、華僑がマレーシアから持ち込んだといわれています。

●海南大学訪問~中国最南端の国立大学~
1958年創立(「華南熱帯農業大学」が前身)、中国国家「211プロジェクト」指定の重点大学である海南大学を今回訪問しました。学生数13,000人以上の総合大学で、敷地内人口も多くひとつの街を形成しています。大学敷地内に複数存在するゲストハウスはホテルマネジメントの実習施設としても使われ、外来者の滞在を受け入れています。
海南大学アリゾナ州立大学国際観光学院(HAITC)が開設され、当ウェルネス研究分野の共同研究者Erwei Dong教授が同学院副学院長として着任しています。今後、同学院と当ウェルネス研究分野の教育研究交流を進めていく予定です。
写真:海南大学北門、敷地全体像は海南大学公式HPより